紅月 ~scarlet moon~
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セラムンで2次駄文
あったら面白い昔話。
~シンデレラ~ 1
配役。
うさぎ→シンデレラ
レイ→義母
亜美→姉1
まこと→姉2
ナレーション→美奈子
「うさぎ~、うさぎ~」
「はーいぃ、ここです。お義母様!」
階段の下を掃除していたうさぎちゃんは義母のレイちゃんの声に返事をした。
うさぎちゃんは階段下から焦ってのぼって、ああ、またこけてるわ。
「全く、あんたってばいっつも、のろいんだから!」
「すみませぇん」
うさぎちゃんを待っていたのはいつものレイちゃんの小言だ。
「まぁいいわ!さっさとあの子達の用事を済ませてきなさいよ!
その後になら…、その…」
ああ、レイちゃんデレる気!?
「うさぎちゃ~ん?早く来てよ~~!」
「はい!まことお姉さま!!」
惜しいところでまこちゃんの呼ぶ声がレイちゃんの声を遮った。
がっす!!
という音が後ろから聞こえたのはいつもの事ね。
うさぎちゃんがまこちゃんの部屋に入ると、
ひらひらのドレスを持ったまこちゃんがうさぎちゃんにドレスを渡していた。
「ああ、明日までに私のドレスを直しておいて。
亜美お姉さまの分も忘れないでよ」
まこちゃんはそう言うと、
「ああ、初恋のあの人に似てる~」
って言ってくるくる回っていた。
恋する乙女ってヤツね。
うさぎちゃんはそれを見ずに屋根裏部屋に帰ってしまった。
見飽きてるのね。
部屋に帰ると早速ドレスを繕い始めるけど、危なっかしい手つきね。
「まったく、うさぎちゃん。進歩しないんだから」
お説教を始める黒猫のルナに、うさぎちゃんは頬を膨らませて、
ドレスを繕う手を止めた。
「なにが~~?」
「自分だってお城に行きたいんでしょ?
もう明日よ、舞踏会は」
そう、明日は舞踏会。
毎年憧れていた舞踏会。
女の子の夢舞踏会。
ああ、って長かった?
「だって、これ全部やらないといけないんだよ。
もう時間も無いし、私はドレスも持ってないし…」
うさぎちゃんはため息をついて、ポケットから星の形をしたペンダントを出した。
ふたを開けると、オルゴールが鳴り出す。
「ごめんね~すなおじゃなくて~」
うさぎちゃんの歌声にルナはため息をついた。
「まったくだわ」
★★★
「じゃあ行ってくるわ、うさぎ。
しっかり留守番してなさいよ!」
「まってて、初恋の人!!」
「行ってくるわね、うさぎちゃん」
玄関でレイちゃんたちを見送ったうさぎちゃんは
一人ぽつんと窓から月を見ていた。
「あ~あ。ほんとは私だって行きたかったよ~」
やっぱり憧れの舞踏会。
今回は王子様のお妃様選びの舞踏会だもの、そりゃ豪華…剣舞?
(豪華絢爛でしょ!!)
そうそう、豪華絢爛とも言うわね。
「ま~~たっく、あんたってば、本当バカなんだから!」
「ええ?!」
突然声が聞こえてきたのに驚いて、うさぎちゃんは後ろを振り向いた。
「だ、だれ?」
うさぎちゃんの問いかけに、
いかにも魔女ですな格好をした女の子はハートの杖をビシッとうさぎちゃんに向けた。
「わたしはちびうさっじゃなくて、セーラーちび……でもなくて」
「はぁ」
魔女っ子はブツブツ言って名前を決めれたのか、
にっこり笑って、
「月からやってきた魔女よ!!」
と言った。
「え~~?!」
「そ・れ・で。私は優しい魔女だから、あんたを舞踏会に行ける様にしてあげるわ!」
「ほ、ほんと~~~!?」
素晴らしい展開にうさぎちゃんは大喜びした。
すごく嬉しそうだわ。やっぱり行きたかったのね。
「本当よ!じゃあ行くわよ!
『ルナP~~変化!!』」
ボン!!
煙がうさぎちゃんを包む。
ああ、まさに変化だわ。
「うわ~」
金色の髪にあるのは真珠の髪飾り。
真っ白なドレスはうさぎちゃんの日に焼けてない白い肌を一段と白く見せる。
ガラスの靴が軽やかな音を玄関に響かせた。
「は~、良かった。サイズは合ってたみたい」
「すっご~い!!コレ貰ってもいいの?!」
うさぎちゃんは喜んでドレスを掴んで、ああ。皺になっちゃうわ!
「そんなわけ無いでしょ。
22時までに戻って来て返してよ」
「え~、22時?」
「私22時には寝なくちゃいけないもん」
さすがお子様ね。
「じゃ、玄関に馬車用意しといたからね。
22時だよ、わすれないでよ」
「は~い。ありがとね。月からやってきた魔女さん」
続きます。