紅月 ~scarlet moon~
ここは、セーラームーンの2次創作小説(駄文)と語りがメインのブログです。
推奨CP まもうさ
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セラムン2次駄文短編
うさぎ、誕生日おめでとう!
というわけで、ここは王道をさけてますw
いちゃいちゃはありません!!(キッパリ)
でも、一応甘くは意識しました。一応ですがw
最初は暗いですが、後半は明るいです。
続きから
2009年のうさぎ誕生日
です。
はぁと息を吐く
先程から振り続ける雨の為か、身体が少し冷たい
瞳の奥にある闇の中に先程感じていた夢の記憶を探してしまう
『何か』を求めて手を伸ばしたままの腕を無造作に下ろす
繋ぎとめようとした夢の感覚が消えていく
耳の奥で響いている『誰か』の声が雨音で消えていきそうだ
身体中に刻まれている『何か』の存在はわかるのに
胸の中にぽっかり空いた感覚
手を伸ばせば『何か』を攫めそうなのに
わからない
でも、身体は覚えているのか、求め続けてる
握り締めた指の中からこぼれ出していく夢の残滓を追うように衛は身体を起こした。
「また…か」
『何か』が足りない。
そんな感覚が消えない。
それは幼い頃の記憶ではなく、もっと大切な『何か』……。
日に日に求める気持ちが強くなる『それ』を探すように、
衛はいつものように部屋を出た。
歩きなれたこの場所でも、何かが違う気がしてしまう。
「あ~!衛さん!!」
「っ」
傘を少し上げると、いつも何故か逢ってしまう少女が嬉しそうに寄ってきた。
彼女をからかって、彼女が怒る。そんな関係だった女の子は。
「えへへ!今日逢えるなんて運命みたいだよ!」
少し前から、自分にとって扱いにくい存在になっていた。
「そりゃどーも」
好かれている、と解る態度に衛は戸惑いを覚えているのに、
強く拒絶することが出来ないでしまっている。
「嬉しいな。やっぱり今日は私の日だからだよねっ」
本当に嬉しそうに笑うおだんご頭の彼女は衛を見上げた。
「おだんご頭の日ぃ?なんだそりゃ」
「じ~つ~は~。今日はこの私月野うさぎの誕生日なのです!!」
えっへんと、腰に片手を置いてポーズをとる彼女に衛は噴出して笑った。
「それで『私の日』かっ」
そんな衛を少し怒ったように睨み、ぷっうと頬を膨らませた。
「なんで笑うの衛さん!!」
「いや、その単純な考え方に……お「あ」」
降り続いていた雨が止んで、雲が晴れていった。
風があるからか、太陽がゆっくり顔をだす。
傘をおろしながら彼女を見ると、空を見ていた。
「誕生日……か」
一つ歳を重ねても昨日と変わらないな。
衛のつぶやきは聴こえなかったのか、彼女はじーと空を見ていた。
「にじ出ないかな~、ね衛さんも見たいよね?」
そう言って衛を見た彼女の髪がキラキラと光を反射していた。
「まぁ…見たいかもな」
見たいと思わせないような声なのに、
彼女は嬉しそうにそうでしょと頷いていたが、
衛の気のない返事の為か雲からまた雨が降り出してきた。
「あ~、でもまた降ってきちゃった」
そう言って彼女は傘を開く。
「おだんご頭」
残念そうに空を見ていた彼女に衛は声をかける。
何をしようっていうのか。
「見に行くか?」
自分で言っているのに、不思議に思うのに。
輝く彼女の笑顔に、まぁいいかと思ってしまう。
「まぁ、見られたら…だがな」
彼女を何故か毎日足を運んでしまう公園へと連れきたが。
「街中よりと思ったが、見れないな」
公園にたどり着く前に雲で太陽が覆われてしまって、
虹が出る条件ではなくなってしまっていた。
「残念だったな」
隣にいる彼女を見ると、何故か幸せそうに笑っていた。
何だ?
「おい、何笑ってんだ?」
不思議に思って訊く衛にうさぎは内緒だと言って傘をくるくる回し始める。
「おい、そんな事したら…」
傘を落とすぞと続ける前に彼女の手から傘は離れてしまった。
急いで走る彼女の後姿に苦笑する。
「ったく、言う前に落とすなよ…」
少し離れたところで傘を捕まえた彼女は笑って手を振った。
「っ!!」
その時、雲が流れて太陽が晴れて、彼女を照らして。
「虹が…」
雲の切れ間から始まっている虹の下に彼女がちょうど立っていた。
衛は立ちすくんでいたが、うさぎが戻ってくるまでには驚きから立ち直り、
うさぎに虹の存在を教えた。
喜ぶ彼女は傘を掲げて、衛に向かって
「ありがとう、衛さん!!」
と笑った。
その言葉と笑顔に
なぜか、心が少し暖かくなった気がするのは気のせいだ。
「ま、誕生日だしな」
そう言って、衛は傘を顔の前に出るように傾けた。
誕生日です。カップル話やいちゃいちゃでは少しつまらないかなと、
こんな感じになりました。
衛メインですみません(笑)
こんな話をご存知ですか?
虹の下には宝が眠っているというお話を
(元ネタは某少女マンガのワンシーンですw)
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